だめん住クリエイター 十か条
■その10 問題は工務店が処理してくれると思っている
これは、設計事務所の立ち位置の問題です。
設計事務所は、家を建てる人の代理人で、工務店とは立場は利害関係にありますが、
質のある家づくりを目指すには、工務店と協力的な関係は必要です。
実を言うと、注文住宅レベルで相見積が一般化してきたのは1980年中ごろからです。
それまでは、住宅で相見積なんかほとんどしていませんでした。
住まいづくりは、設計者、工務店、施主の熱い信頼関係からできていたのです。
ですから、設計者のミス・変更や施主の変更・決断の遅延などは
大きな金額を扱う工務店がもつという形でカバーしてきた関係が長く続きました。
施主にとっても、設計者にとっても工務店にとってもある意味
いい時代でもありました。
しかし現在は相見積で工事費もかなりタイトな時代です。
設計者のミス・変更や施主の変更などを工務店はカバーしきれません。
ですから意欲的な設計や気まぐれな変更、決定の遅延は、工事の質や、
さまざまなリスクやトラブルへとつながることも多いのです。
工務店のカバー力(りょく)に頼った工事監理では、
結局住み手に利とはならない時代です。
僕たち設計者も襟を正す必要がありますね。
避ける方法は、設計打合段階で多くを検討し図面化し
現場での変更等を極力なくすようにするか、
昔の普請道楽の「旦那」のように
現場で納得いくまでチェックできる予算と工期を確保するしかありません。
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