耐震等級1についてですが、
国土交通省はその説明に「構造の安定に関すること」という部分の解説として
● 極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力
極めて稀に発生する地震による力は、建築基準法施行令第88 条第3項に定める力に
相当するものであり、
数百年に一度程度の頻度で起こる大きさの地震力を表します。
同じ頻度で発生する地震の揺れの絶対的な強さは、地域により異なるために一概には言え
ませんが、
例えば、東京を想定した場合、気象庁の震度階で震度6強から7程度(中低層の建物に作用する地震動の加速度で400cm/s2程度)に相当するということができます。
これは、関東大震災において東京で発生したと推定される地震の揺れや阪神淡路大
震災において神戸で観測された地震の揺れに相当します。
なお、昭和56 年以降の建築
基準法の耐震基準を遵守した建物については、通常、構造計算に見込んだ余裕や計算外
の余裕のために、想定したものよりも大きな地震力に対して倒壊、崩壊等しないものと
考えられます。
それで耐震等級2,3はそれの1.5 倍(1.25 倍)の地震力は
気象庁の定める震度階で最大のものは震度7ですから、耐震等級1で説明した地震力を1.25
倍または1.5 倍した地震力を震度で説明すると震度7となりますが、
中低層の建物に作用する地震動の加速度は、
1.25 倍で500cm/s2程度、1.5 倍で600cm/s2程度となります。
国土交通省では、防災拠点となる施設(学校や官公庁施設など)について、地震力を
1.25 倍又は1.5 倍に割り増してより安全な設計をする方針を定めているので、
この基準の等級は、これに対応したものと理解することができます。
なお、阪神・淡路大震災では、極めて限られた場所で800cm/s2程度の大きな地表の
加速度が観測されていますが、構造計算に見込んだ余裕や計算外の余裕のために、大き
な被害を受けなかったものと報告されています。
ちなみに
倒壊、崩壊等しない程度とは、人命が損なわれるような壊れ方をしない程度であるこ
とをいいます。
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