2017年10月12日木曜日

質の高い職人と良い職人

昔は、鳶が基礎や建て方をして、大工が木を刻み、造作をして

左官が壁を作り、建具屋や表具屋が畳屋 塗装屋が完成させる

システムは至って簡単ですね。

でも今ではこれでは何かが足りません・・・

そうです、設備です。

一般的に質の高い職人とは、自分の担当する仕事を

極めた職人ですね。

しかし、現在では、設備との取り合いや住み手の多様な住み方に

対応していかなければなりません。

これを整理するのが、現代では設計者(建築家)です。

しかし、現場のすべてを設計者が把握、制御できるわけではありません

また、現場の工事管理者とて同じです。

で、大切なのは、自分の仕事を質高くこなすというより

全体とのバランスや、住み手の住み方に関心を寄せ

他の職種と調整もできる職人が、求められていて

それが、住み手に益をもたらすのです。

それが良い職人です。腕だけではなく、気配りのできる職人

設計者も同じですね・・・・



2017年10月2日月曜日

ものづくり日本

ものづくり日本・・・などという言葉がありましたね
もうそんなもの遠い昔とおもっていたら・・・

経済産業省が今年初めころ出した
「世界が驚く にっぽん!」
http://www.meti.go.jp/press/2016/03/20170308001/20170308001-1.pdf

成長期に勢いのあったものづくり日本の大企業。その勢いがなくなってきたら
最後のたよりは、職人や中小企業のものづくりかよ、
最後は、希少価値の日本の心かよ・・・という感じなんですね。
ネットでは不評だったようです。
ま、理由はいろいろあったようですが。

大企業のほうにしか目を向けていなかった効率日本が
効率の悪い?すたれかけた職人魂、中小企業魂、日本の心に頼るすがたは
なんか、はしたないと思ってしまいますね。

高度成長期には、職人や中小企業は下請けの単なる一つの駒として
身を削らせておいて
いまでも金融に振り回されているくせに
やせ細った、職人や零細企業、心を頼りにしようなんて・・・などと思うのです。

住宅産業も、住宅メーカーを基本とした政策を
もし地域の工務店や大工さんの質向上と振興へと
ある程度シフトしていれば
住まいづくりや街づくり地域創生もいろんな選択肢があったと思うのですが。

ま、愚痴はいけません。
つまりものづくり日本という言葉は嫌いということです。

日本はものづくりがすたれたところからの出発しないとという
覚悟が必要ということですね。
家づくりも、希少価値となった質の高い職人を探すより、
質が少々低くても丁寧に作る職人をうまく使い育て
より質の良いものを造り、生活でき、共存する時代ですね。
表面の効率は悪いけど、持続を考えるとこれがいい。

質の高い職人は大切ですが、それをあまりにも中心におくと
職人の世界は生活から遊離し衰退するのでしょう。