少し前のブログで紹介した 根岸照彦著「自慢できる茶室をつくるために」
の、水屋の章で、建築家の茶室づくりについての意見がかかれていますが
住宅づくりにも通じるものがある、いい話なので
紹介します。
「台所の無い住宅はあり得ず、水屋の無い茶室はあり得ないのですから(中略)
茶室のデザインがよいとか、悪いとか、良い材料を使ってあるとか、使ってないとか、
大工さんの腕がよかったなどという前に、一番肝心なことは、
お茶ができる茶室であるということです。
あたりまえすぎてバカバカしくなりますが、この肝心なお茶ができなければ、
なんにもならないということを忘れて、やれ床柱がどうとか、天井は真行草だとか、
ごちゃごちゃいっているひとたち、特に自称建築家といわれる(ほんの一部です)方の中には、
「お茶は自由に喫むものである」とのたまって、自由なる茶室を設計されるものだから、
結果的には自由にお茶ができなくなってしまうというトンチンカンなことになってしまうのです。」
(引用)
茶室のことを、とやかく言える立場ではないのですが
住宅を住む器ではなく、建築の実験箱として考えている建築家が意外と多いんですね。
もう、茶室なんて言うと、デザインの実験にはうってこい、
世界にもアピールできるし・・・・なんてね
「自由に、勝手にお茶を喫むのであれば、なにも茶室、茶室とわめかなくても、
どこでもよいのです。台所の流しの上でサラサラとお茶を点てて喫めばよいのですから、
「茶室建築とはこうあるべきだ」などとさわがないでほしいのです。」(引用)
住宅は、住む人が、素直に生活し快適に住めることが大切ですね。
たまに、見栄で家を建てる人がいますが
そんな方は、住みやすさより表面のデザイン優先でいかなくてはいけませんが。