2012年5月11日金曜日

だめん住ウォーカー(クライアント)6


だめん住ウォーカー(クライアント) 十か条

■その6 住み始めてからが大切ということを忘れている。

住まいは完成した時が始まりです。当たり前です。
でも多くの方が、家の完成品を手に入れることが住まいの完成と思っていいようです。
家は維持をし人と交流して住まいになっていくんです。

そもそも、住宅メーカーが左官材や無垢材など積極的に使わないで、
ビニルクロスや新建材、樹脂建材を使う理由は、
完成時の精度とそのあとのクレームを恐れているからです。

それは、完成時と製品ばらつきを許さない施主にも問題があると思います。

無垢材こそが良いとは言いませんが、たとえば無垢材は、
出来た時もいいですが、使いながらつやが出たり、深みが出たり、
補修もしやすく、とても人の時間になじんでくれます。
そのような無垢材は必ずばらつきや、取り付け時の小さな傷などがつきものです。
しかし、現代の商品文化ではあまり良いことと思われていません。

床なりなども、問題のある床なりと問題とならない床なりがありますが、
すべて瑕疵とすると、樹脂性などの物を使わざる得ません。
施主自らが、樹脂生活を望んでいるとしか思えません
。プラスチック生活ですね。

完成時の事より、もっと使い始めて10年くらいのことを考えて
素材や機器、配管を選んでみませんか。
完成時の仕上げなどの細かなことで悩むより、
今後の維持も工務店や大工さんたちと共にするといった視点で
眺めてみるのもいいことだとおもいます。

そのような視点で、住まいづくりを始めると家の見方も変わってくるのでは。
そして、設計者としては、
メンテナンスフリーではなく、メンテナンスイージーという視点が大切です。

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