2015年7月3日金曜日

新国立競技場・・・

新国立競技場、だれが責任者かもわかりませんね・・・

なのに金はどこからか出てくると考えているなんて・・・

高度成長時代の亡霊が、政治家、建築家、官僚、マスコミにとりついているのでしょうか?

残念なのは、大学時代に教えていただいた医者や弁護士並みの

「社会性のある建築家」像が

崩れていくのが残念です。

耐震偽装問題でも、一番責任のある建築家は蚊帳の外でしたからね。


新国立競技場のすったもんだと、よく似た身近な長い世間話がありましたので

ノッケテみました。ま、こんなのまっとうな世間じゃ嘘話なんでしょうね??


■日野本男のところに、孫の振子(しんこ)から相談がありました。
振子の父・文男は本男がやっていたスポーツ用品屋をついでいます。

振子は地元商店街の振興も考えて、スポーツ用品店にスポーツジムを併設したいと、土地所有者の祖父本男に相談に来たのです。

浪費家だった父文男と似て夜遊びばかりしていたようですが、昔可愛がっていた孫娘の熱心な提案に、孫も真面目に店を継いで婿でも見つけてくれるかもしれないという期待と、スポーツジムは本男もバブルの時に一度考えたこともあるので・・・とりあえずいいのではと賛成しました。

遊んでばかりいた振子がなぜ、そんな気になったかというと、祖父本男も世話になっている地元大物の、盛元さんとスポーツメーカ重役の大倉さん、地元不動産の泉不動産が振子に話を持ちかけたのです。いわゆるおいしい話です。

■振子のスポーツ用品店の敷地は駅と住宅街の間にあり、スポーツジムにはちょうど良い環境だったのです。敷地は商店街に隣接する住宅地なのですが、盛元さんによると内密だけど、敷地の用途変更は市議会の議長の保井さんを巻き込んですでに以前より準備は進んでいるそうです。商店街の振興を名目にです。
用途変更になれば6階建てのビルも可能です。テナントも可能となるので、カラオケ屋の戸久良さんが飲食店として一部借りたいという話もすでに入っているようです。

振子は地元の大物達が声をかけてきてくれて有頂天。6階建てになるなら収支計画は黒字間違いないでしょう。うまくいけば、かっこいい車を買って地元出身のラグビー選手のスポンサーになって、別荘を建てて選手とパーティなんかもいいなと夢は広がります。

話によると泉不動産は隣接地を用途変更前に、ちゃっかり買っているとい噂です。あくまでも噂ですが・・・

■さて、振子は建設業のツテはないので盛元さん大倉さんの紹介で、有名な藤保建築事務所の藤保さんと番頭の外藤さんと話を進めることになりました。

藤保さん、外藤さんは強引な用途変更などもあるようなので、間接的に関わるのが適切と判断したのでしょうか?うってつけの建築家を探してあげましょうと提案しました。
自分たちは危うい設計をせず、知り合いの有名な建築家などに設計をさせ恩を売ったほうが得策だと考えたのです。そうすればその建築家から違った仕事の紹介もあるというものです。世の中持ちつ持たれつですね。

強引な用途変更もあるので地元の若手建築家たちにも声をかけ商店街振興もかねて盛り上げるのもいいのではという話もありましたが、藤保さんはどこの馬の骨ともわからない建築家においしい話をかき回されたくなかったので、気心のしれた知り合いの「有名」建築家達に提案をお願することにしました。有名だと話題性もありますからね。

振子さんも盛元さんも大倉さんも、いい提案だと納得しました。

スポーツジムの技術や予算に精通している建築家という触れ込みで、藤保さんの知り合いの有名な建築家何人かに案などを出してもらいました。
さすが有名建築家は違います。振子はあまりの素晴らしさにどの案がいいかもわからないほどでした。夢は広がります。これならスポーツ選手を招いてオープニングしても様になります。
早速、今あるビルの解体契約も進めることになりました。

■しかし、スポーツジムの技術や予算に精通している話はどうも眉唾だったようです。
すべての提案は素敵な案ですが余裕の予算も軽くオーバーになるのではというものばかりでした。ある案などは隣の敷地まで使った案だったのですよ。

振子はさすがに心配になり藤保さんに大丈夫ですかと尋ねました。
藤保さんはちょっと条件が盛りだくさん過ぎたようなので、調整していきましょうね、と言い、でもいいものはできますよ、振子さんの将来のためにも少々の冒険は必要ですねと言いました。

そういえば、遊び仲間でもある若手の建築家がいたけど、彼らに設計やらせたほうが得だったかななんて振子は思いましたが、もうすでに偉い藤保先生の前では言えません。

■さて、藤保さんは予算オーバーでも良いもの建てるのだからしょうがないと言い切りましたが、さすがに余裕で出した予算よりもさらに高くなるのではと心配になり、どうせアップするなら一番話題性がありそうで、恩も売れる友人の案で盛り上げるしかないと考えました。あの隣地も使った強引な案を出した建築家、座覇山さんです。
番頭の外藤もやはり話題性が大事と同意しました。
派手好きの振子に金を出させるには話題性と強引さが必要です。

おだてられた振子は、すでに商店街振興の推進者でスポーツ選手のスポンサー気取りです。ビルは解体したのだし、盛元さんと大倉さん、藤保さんは、プロだからきっとうまくおさめてくれるだろう、そう振子は思いました。

■しかし、施工会社に概算を出させると余裕で5億に収まると考えていたのに10億・・・
とてもこれではできません。

盛元さんも大倉さんも藤保さんも頭を抱えます。
それで飲食店のテナントで入る予定のカラオケ屋の戸倉さんを呼んで、スポーツジムの一部にカラオケと娯楽施設も造って稼ぐ方法を考えようと相談しました。
それでも収支計算で7億の建設費をまかなうのは苦しいのですが・・・

しかし、いまさら地元の大物・盛元さんに恥をかかせることはできません。大倉さんと戸久良さん藤保さんはカラオケ屋と娯楽施設はもうかるしスポーツ関連からのリベートも入るということで、強引な黒字の収支計画をでっちあげました。

そして、本男が昔大変世話になった盛元をつれて大倉と振子と藤保が本男説得に乗り出しました。

本男は、スポーツジムにカラオケと娯楽施設じゃスポーツ用品店の事業を逸脱し、さらに収支も厳しいんじゃないかと渋ります。娘の市子と民子もまずいんじゃないのと心配です。

本男は心配になって、知り合いの銀行経由で立派な建築家の巻上さんに相談しました。でも7億はかかるとか・・・確か隣町の同じ施設は3億程度でできたという噂なのに・・・

結局、大物盛元に外堀埋められ、大倉の強い説得で、9億円で契約し、スポーツジム娯楽施設は無事完成しました。

■それから10年後、
施設は閑古鳥、振子は責任放棄して逃亡、本男と文男のところには借金の重荷が・・・
スポーツジム娯楽施設は泉不動産とカラオケ屋の戸久良さんが安く買いたたき、スポーツとは関係のないキャバレーなどの娯楽施設になるようです。

本男は残った膨大な借金のために財産はスッカラカン、優しい市子や民子が引き取って老後を送るようなりました・・・いまじゃ貧乏な日野本男です。

盛元さんと大倉さん戸久良さんは隣地を買った泉不動産と仲良く、この町でお変わりなく過ごしていると聞いております。

めでたし、めでたし。

誰が???

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